2023/11/23
冬の作業環境改善に、より快適にするための防寒服選びの秘訣
昨今、作業服業界ではカジュアル化が進み、特に防寒服(アウター)は普段着に見劣りすることがないほど、洗練されたデザインの商品が増えてきております。また、素材も機能面も進化を続け、多種多様な防寒服が販売されております。
様々な環境や作業内容など、考量して、最適な防寒服を見つけることができるようになりました。一方で、カジュアル化が進んだことで、その年のみの限定生産であったり、寿命の短い商品も多々あります。
今日は、企業にとって、どのように最適な防寒服(アウター)を探していけばいいのか、ご紹介いたします。
1.作業者が防寒服を着用する重要性
防寒服は、労働環境の改善と健康と安全の確保するために大きな役割を持っています。
冷え込みの厳しい気象条件下での作業は、身体の動きが鈍り、安全に作業がしづらくなります。また、そういった環境下では体温調整も難しく、体調も崩しやすくなり、健康面にも影響が出ます。
適切な防寒服を着用する事で、身体が温まっている状態を作ることができ、より集中して、安全に作業できるようになります。安全に集中して作業できるようになれば生産性の向上に繋がります。
では、分厚くて、保温性の高い防寒服を支給すれば良いのかと言えば、答えはノーです。
動きの多い現場では、綿がしっかり入った分厚い防寒では、動きづらくなりますし、また、暖かさを通り越して、汗をかいたり、衣服内が蒸れたりします。
作業環境に沿って、綿の量や、素材、機能を選び、適した防寒服を選ぶことが重要です。
では、どのように選んでいけば良いのでしょうか?
以下のポイントに重点を置いてみると良いかと思います。
2.防寒選びの秘訣
2-1 素材
防寒服の表地と裏地があります。
表地は綿混であれば、破れにくく、耐久性が強いです。綿100%であれば、火に強く、溶接や切削作業にも適してます。ポリエステル100%では火に弱いですが、ツイル系の素材は耐久性が強いです。しかし、綿100%や綿混、ポリエステル100%のツイルなどは重たく感じる商品が多いです。重量のある製品を運ぶ運送業や、切削・溶接を伴う製造業、建設業では、安全面も考量してツイル系の表地が耐久性もあっておススメです。
ポリエステルやナイロンではタフタという薄く、かつ密度の高い折り方をした生地は非常に軽く、肩や首への負担を軽減できます。しかし、その薄さゆえに、引っ掻きに弱く、破れやすかったりします。製品や副資材による破損がない、軽作業中心の製造業や運送業にはお薦めです。
アウトドアや軍体の服でも用いられるリップストップは、生地の薄さと引き裂きに強い耐久性を持った素材で、昨今、よく使われるようになりました。表面にある小さな升目が特徴的で、軽くて丈夫な素材です。建設業や外での作業が中心の業種、また狭い場所での作業に適しています。
また、動作性の観点から、最近では防寒服でもストレッチ素材がリリースされています。
裏地は、フリースや、ボアは肌触りが良いですが、重量が増えます。キルトなどの綿が軽くて保温性も高くておススメですが、近年では、アルミを使用した素材が増えております。以前はアルミキルトのみで、価格も高い商品が多かったですが、最近では、アルミをプリントできるようになり、コストを抑えられるようになりました。
アルミ素材は、体温を反射する、輻射熱で衣服内の温度を暖かく保ってくれるため、通常より、中綿を減らすことができ、軽量化を図れます。軽さを求める場合は、アルミ素材がお薦めです。
裏地がアルミ素材
また、建物内での作業環境によっては、中綿がなく防風性のあるウィンドブレーカーも冷気をシャットアウトし適度に保温できるので人気があります。
2-2 機能
最近では様々な機能がありますが、代表的な機能として、防水・透湿です。防水は水を通さない素材です。商品名に防水と記載があれば、縫い目にもテープを張って補強がしており、水の侵入をほぼシャットアウトしてくれます。防水とは記載がなくても、耐水圧○○○○mmと記載があれば、生地自体は防水になっているので、多少な雨であれば防げるかと思います。しかし、補強がない縫い目からは水の侵入が可能ですので、荒天では、防ぎきれないかもしれません。
屋外の作業がメインの場合は、耐水圧が記載されている、もしくは、防水と記載されている商品を選ぶと良いかと思います。
防水と同時に記載されていることが多いのが透湿です。透湿は、素材自体が湿気を衣服内に放出する機能です。防水素材で密閉された衣服内は、汗で蒸れやすくなります。
蒸れてしますと、不快になり、また、汗冷えによる体調不良にも繋がってきますが、湿気を衣服の外に放出できれば、体温調整もしやすくなります。
動きが多き作業環境下では、透湿素材がお薦めです。
その他の機能では、製造業では、必ず必要な帯電防止(静電気を貯め込まない機能)、や冷蔵庫用の防寒服などもあります。
2-3 デザイン
暖冬傾向の強い昨今では、ベストタイプの需要が高まっております。動きの多い現場では、長袖では厚くなってしまったり、動きづらいとの観点から、ベストタイプを着用するケースがあります。主に建設業界で多いですが、胴体は保温性をしっかり確保し、腕は自由が利くようにできます。
同じデザインでベストタイプとジャンパータイプを選べる商品もあります。
動きは少ない現場ではコートタイプが丈も長く、より保温性を高められるのでおススメです。
また、日照時間の短い季節になるので、反射材を取付、視認性を高めた商品も人気があります。
2-4 継続性
企業向けでは最も重要なポイントです。その年限定や、2~3年で切り替わることが予想されるなど、供給が難しくなる可能性がある商品は避けましょう。代理店に知れべてもらえれば明確にできます。また、在庫数量が極端に少ないなども危険信号です。
3.まとめ
暖冬傾向が続いておりますが、防寒服無しで過ごせるほど暖かかくはないので、防寒服は安全上・健康上必要ではないかと思います。
採用するに辺り、作業環境を考慮して、動作性重視か、耐久性に重きを置くか、企業によって判断は分かれるかと思います。
場合によってはベストとジャンパーを両方採用しても良いかもしれません。
防寒服で作業環境の改善を、是非考えてみてください。
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